文化財の紹介

富岡市指定重要文化財

「伏見神社の大絵馬」(H17.7.19指定)
伏見神社は、大正二年に鹿島神社・諏訪神社・磨墨神社・加茂神社が合祀してできた神社です。
このうち磨墨神社は、寿永四年(1184)び宇治川合戦の先陣争いで梶原景季が乗馬した名馬「磨墨」を祀っていた珍しい神社です。現在残っている絵馬には馬が多く描かれ、拝殿の格天井の絵も馬の絵であるなど、磨墨神社の信仰をよく残しています。
指定となった絵馬は、拝殿内部に掲げられている、高さ105cm、屋根の幅172cm、板面の幅118cmを測る大きな板絵です。板面には正面に馬とそれに乗る神(大国主命)、馬を引く馬方の神が描かれ、弘化年(1846)正月に「当国甘楽郡虻田邑小板橋亀吉」が奉納したという銘と、知典という人物の書(賛)であることが記されています。
この絵馬は、大国主命と馬という江戸時代以前からの古風な主題が描かれている、貴重なものです。
<富岡市教育委員会>











「高太神社本殿」(S63.3.26指定)
かつての村社の一つである高太神社は、弘仁年間の創建で、その後、長禄二年(1458)に再建されたと伝えられている。現在、覆舎内に納められている本殿は、現存する棟札から推して寛政五年(1793)の建立である。
本殿は北向きを避けるためであろうか、上り参道に対して直行する形で境内の西側に建てられている。
本殿の規模は、身舎桁行約120cm・身舎梁間約130cmで、それに向拝梁間役120cmが付き、軒高役280cmの比較的小規模な建造物である。
建物様式は、一間社隅木入春日造りで、屋根は向拝に軒唐破風を付け全面をこけら葺きとしている。
組物は、三手先で二段の尾垂木を入れた極めて精巧な形が取られている。身舎四面の上部は牡丹に唐獅子の彫刻を施し、また海老虹梁は丸彫りの龍で、他にも見事な龍が彫られている。それらは全て彩色を施さない木地である。
全体的に江戸時代後期の建築様式を遺憾なく発揮しており、特に棟札の名前から見て、設計建築は地元の大工と考えられるだけに極めて貴重な文化財と言えよう。
<富岡市教育委員会>